「共働きだから、ペアローンで広めの家を買おうかな」——そう考える夫婦は年々増えています。2人の収入を合わせれば、借りられる額は大きく広がり、選べる物件も一気に増えます。
でも、その一方で「ペアローンはやめとけ」という声があるのも事実です。実際、ペアローンには、単独ローンにはない独特のリスクがあり、後悔している人も少なくありません。
先に結論をお伝えします。ペアローンで後悔する人に共通するのは、2人分の収入を前提に「借りられる額」いっぱいまで借りてしまうこと。逆に、「片方の収入が減っても返せる範囲」に抑えられれば、ペアローンは共働き夫婦の心強い選択肢になります。
この記事では、宅建FP編集部が、ペアローンの仕組みから、後悔する人の特徴、離婚や団信のリスク、そして後悔しないための対策まで、やさしく解説します。金利や制度の情報は、住宅金融支援機構のフラット35などの公的情報もあわせて確認すると安心です。
- ペアローンの仕組みと、収入合算・連帯債務との違い
- ペアローンで後悔する人に共通する特徴
- 離婚・団信・贈与税など見落としがちなリスク
- 後悔しないためのリスク対策
- ペアローンが向いている人・やめた方がいい人
ペアローンとは?仕組みをやさしく解説

ペアローンとは、夫婦(または親子など)がそれぞれ債務者となって、1つの住宅のために2本の住宅ローンを組む方法です。
たとえば、4,000万円の家を買うとき、夫が2,400万円、妻が1,600万円というように、2人がそれぞれ別々にローンを契約します。2人とも「自分のローンの返済者」であると同時に、多くの場合、お互いのローンの連帯保証人になります。
つまり、相手が返せなくなったら、自分が肩代わりする義務を負うわけです。ここは、単独ローンにはないペアローン特有のポイントで、あとで見る離婚リスクにも直結する、非常に重要な仕組みです。
持分(所有権の割合)も2人で分ける
ペアローンでは、家の所有権も2人で分け合います。これを「持分」といいます。通常は、出したお金(=借入額や頭金)の割合に応じて持分を決めます。夫が6割、妻が4割を負担したなら、持分も6:4にするのが基本です。
この持分の決め方は、あとで出てくる贈与税の話にもつながる、意外と重要なポイントです。
なぜペアローンを選ぶ人が増えているのか
共働き世帯が増え、女性も安定した収入を得ることが一般的になったことで、「2人の力を合わせて理想の家を買う」というスタイルが広がりました。とくに、都市部で物件価格が上がるなか、単独では届かない価格帯に手が届くことが、ペアローンが選ばれる大きな理由です。ただし、「届く」ことと「無理なく返せる」ことは別問題。ここを混同すると、後悔につながります。
ペアローン・単独・収入合算・連帯債務の違い

夫婦で住宅ローンを組む方法は、ペアローンだけではありません。混同しやすい4つの方法を整理しておきましょう。
| 組み方 | 債務者 | 団信の対象 | 住宅ローン控除 |
|---|---|---|---|
| 単独ローン | 1人 | その1人 | 1人分 |
| 収入合算(連帯保証) | 1人(もう1人は保証人) | 主債務者のみ | 1人分 |
| 収入合算(連帯債務) | 主債務者+連帯債務者 | 主債務者(商品による) | 場合により2人分 |
| ペアローン | 2人(各自) | 各自 | 2人分 |
大きな違いは、「何人が債務者になるか」「団信と控除を何人分使えるか」です。ペアローンは2人がそれぞれ債務者になるので、控除も団信も2人分。その分、諸費用も2本分かかります。
一方、収入合算(連帯保証)は、ローン自体は1本で、もう一方は「保証人」という立場。控除も団信も基本は1人分ですが、諸費用は抑えられます。連帯債務は、その中間のような形で、1本のローンを2人で連帯して背負い、商品によっては連帯債務者も控除を使えることがあります。
それぞれの向き・不向きを整理すると、こうなります。「借入をできるだけ増やし、控除も団信も2人分フルに使いたい」ならペアローン。ただし諸費用は2本分かかり、リスクも大きめです。
「借入は増やしたいが、手続きや費用はシンプルにしたい」なら収入合算。団信や控除は1人分ですが、費用と手間を抑えられます。「単独でも十分な借入額に収まる」なら単独ローンが、いちばんシンプルでリスクも小さい選択です。
どれが正解かは、世帯の収入と、いくら借りる必要があるかで変わります。「なんとなくペアローン」ではなく、4つを比べて選ぶことが大切です。
ペアローンのメリット

ペアローンには、はっきりとしたメリットがあります。まずは良い面を整理しましょう。
借入可能額を大きく増やせる
いちばんのメリットが、これです。2人の収入を合わせるため、借りられる額が大きく増えます。たとえば、返済負担率25%で計算すると、夫(年収500万円)単独なら借入は約3,400万円ですが、妻(年収400万円)と合わせた世帯900万円なら、約6,000万円台まで借入可能額が広がります。単独では届かない物件にも手が届く、というわけです。
ただし、これはあくまで「借りられる上限」。この額いっぱいまで借りるのが危険なのは、あとで詳しく見ていきます。
住宅ローン控除を夫婦2人分使える
ペアローンでは、夫婦がそれぞれ自分の借入について住宅ローン控除を受けられます。控除は「納めた所得税・住民税の範囲」でしか戻らないため、1人分だと使いきれないこともありますが、2人分に分ければ、それぞれの税金から控除でき、世帯全体では控除を使いきりやすくなる場合があります。
たとえば、1人で大きなローンを組むと、控除の上限(年末残高の0.7%)が、その人の納税額を上回ってしまい、控除しきれないことがあります。
ペアローンで夫婦それぞれが借りれば、2人分の納税額から控除できるため、この「使いきれない」問題を避けやすくなります。共働きで2人とも一定の収入がある場合、この控除面のメリットは意外と大きくなることがあります。
ただし、控除を最大化することだけを目的に借入を増やすのは本末転倒です。控除はあくまで「おまけ」と考え、借入額そのものは無理のない範囲に抑えましょう。
団信に夫婦それぞれが加入できる
団体信用生命保険(団信)に、夫婦それぞれが加入します。つまり、2人とも万一の保障を持てる、ということです。ただし、この団信には後述する落とし穴があるので、メリットと同時にリスクも理解しておく必要があります。
ペアローンの魅力は、2人の収入で借入額を大きく増やせる・住宅ローン控除と団信を夫婦それぞれで使えること。共働きで安定した収入がある夫婦には、選択肢を広げる有力な方法です。ただし、その「借りられる額の大きさ」が後悔のもとにもなります。
【本題】ペアローンで後悔する人の特徴・デメリット

ここが記事の本題です。ペアローンで後悔する人には、共通した特徴があります。デメリットと合わせて見ていきましょう。
特徴①:2人分の収入を前提に借りすぎる
最大の落とし穴が、これです。ペアローンは借入可能額が大きく増えるため、つい上限いっぱいまで借りてしまいがちです。でも、それは「2人ともフルタイムで働き続ける」ことが前提の額です。産休・育児・転職・介護など、片方の収入が減る場面はいくらでもあります。そうなると、返済がもう一方に重くのしかかります。
具体的に考えてみましょう。夫婦それぞれが毎月10万円ずつ、合計20万円を返済する計画を立てたとします。ところが妻が出産で育休に入り、収入が半分以下になったら、妻の10万円分を、夫の収入と減った妻の収入で何とか工面しなければなりません。
夫の手取りが30万円だとすると、返済20万円を引いて残るのは10万円。ここから生活費も出すとなると、たちまち貯蓄を取り崩す生活になります。「2人で返すから大丈夫」という前提は、片方の収入が減った瞬間に崩れるのです。
「借りられる額」で借りた夫婦ほど、後悔しやすいのはこのためです。
特徴②:団信は「亡くなった人の分だけ」と知らない
ペアローンの団信は、亡くなった(または高度障害になった)人のローンだけが完済されます。夫が亡くなっても、妻のローンは残り、妻は自分の分を返し続けなければなりません。「2人とも団信に入っているから安心」と思っていると、いざというときに残債が残って苦しむことになります。
特徴③:離婚のリスクを考えていない
これは次の章で詳しく扱いますが、ローン返済中の離婚は、ペアローンでは非常にやっかいです。2人の名義でローンが残るため、財産分与や売却をめぐって大きく揉めやすくなります。
特徴④:諸費用が2本分かかることを見落とす
ペアローンはローンを2本組むため、事務手数料・保証料・登記費用・印紙税などが、単独ローンより増える傾向があります。
とくに事務手数料は「借入額の2.2%」といった形で計算されることが多く、2本に分けても合計額は大きく変わらない一方、契約書の印紙代や抵当権設定の登記費用などは、2本分かかることがあります。
数万円〜十数万円の差になることもあるため、借入を増やせるメリットに気を取られ、この費用増を見落とさないようにしましょう。
特徴⑤:持分と負担のズレで贈与税がかかる
意外と知られていないのが、贈与税のリスクです。実際の返済負担の割合と、登記した持分割合がズレていると、その差額が「贈与」とみなされ、贈与税がかかることがあります。たとえば、返済は夫が多く負担しているのに、持分を50:50にすると、差額が妻への贈与とされる可能性があります。持分は返済負担どおりに設定するのが原則です(最新の扱いは国税庁で確認しましょう)。
ペアローンで後悔する人に共通するのは、2人分の収入を前提に「借りられる額」いっぱいまで借りてしまうこと。産休・育児・転職で片方の収入が減ると、返済がもう一方に重くのしかかります。判断の軸は、いつも「片方の収入が減っても返せるか」です。
離婚したらどうなる?ペアローンの離婚リスク

ペアローンで最も後悔が大きいのが、離婚したときです。ここは、宅建士・FPの視点からも、とくに知っておいてほしいポイントです。
ローンは名義どおり2人に残る
離婚しても、ローンの契約は自動的には消えません。 夫は夫のローン、妻は妻のローンを、それぞれ返し続ける義務が残ります。「離婚したから、もう関係ない」とはいかないのです。
財産分与とローンがかみ合わない
財産分与では、夫婦の財産を原則半分ずつに分けます。しかし、家は簡単に半分に割れませんし、ローンが残っていると話はさらに複雑になります。売却してローンを清算しようにも、売却額がローン残高を下回る(オーバーローン)と、売るに売れません。 差額の現金を用意できなければ、離婚後も2人でローンを抱え続ける、ということも起こります。
「どちらかが住み続けたい」という場合も、簡単ではありません。たとえば妻が家に残る場合、夫の名義のローンをどうするかが問題になります。夫の分を妻の単独ローンに借り換えようとしても、妻1人の収入では審査に通らないことがあります。
かといって、夫が家を出た後も自分名義のローンを払い続けるのは、住んでいない家のために返済する形になり、納得しづらいものです。
このように、ペアローンは「別れたあとの整理」が非常に難しく、弁護士や専門家を交えても、解決に時間がかかるケースが少なくありません。
連帯保証で相手の返済リスクを負う
多くのペアローンでは、お互いが相手の連帯保証人になっています。離婚後、相手が返済を滞らせると、その分の請求が自分に来ます。 「別れた相手のローンを、自分が肩代わりする」という事態も、決して珍しくありません。
こうしたリスクがあるため、ペアローンは「予定外の事態」に非常に弱い組み方だといえます。もちろん、離婚を前提に家を買う人はいませんが、万一に備えて、こうしたリスクを知っておくことは大切です。
ペアローンの最大の難所が離婚です。財産分与は原則半分ずつでも、ローンは名義どおり2人に残ります。売っても残債が残る、相手が返済を滞れば連帯保証で自分に請求が来る——予定外の事態に非常に弱い組み方だと知っておきましょう。
ペアローンで後悔しないためのリスク対策

ここまでリスクを見てきましたが、対策を知っていれば、ペアローンは十分に安全な範囲で使えます。後悔しないための対策を、5つのステップで整理します。
2人分で借りられる上限ではなく、片方の収入が減っても返済を続けられる額に抑えます。これが後悔を防ぐ最大のポイントです。
産休・育児・病気などで一時的に収入が減っても耐えられるよう、生活費の6か月分を目安に予備資金を確保しておきます。
世帯の合計ではなく、片方に偏ったときも無理がないかを意識して、返済負担率を抑えめに設計します。
実際の返済負担の割合と、登記する持分割合を一致させます。ズレると贈与税がかかることがあるため、購入前に確認します。
夫婦連生団信や生命保険で、どちらかに万一があってもローンが残らないよう備えます。健康なうちに検討しておきます。
とくに大切なのが、いちばん最初の「片方の収入でも回る範囲に抑える」です。ペアローンの後悔は、そのほとんどが「借りすぎ」から来ています。2人分だから多く借りられる、ではなく、万一どちらかの収入が減っても返せる額に抑える。これさえ守れば、産休や転職があっても、家計が崩れずに済みます。
目安としては、「世帯収入の高いほうの1人の収入だけで、返済負担率が35%を大きく超えない程度」に抑えられると、かなり安心度が高まります。もちろん、それだと希望の物件に届かないこともあるでしょう。その場合は、頭金を増やす、物件価格を見直す、といった調整も含めて、無理のない着地点を探すことが大切です。
また、団信のリスクへの対策として、夫婦連生団信という選択肢があります。これは、夫婦どちらかに万一があれば、2人分のローン残債がすべて消える団信です。通常のペアローンの団信より安心度が高いので、備えとして検討する価値があります。ただし、取り扱っている金融機関が限られていたり、金利に上乗せがあったりすることもあるため、条件を確認して判断しましょう。
夫婦連生団信を使わない場合は、生命保険で代わりの備えをする方法もあります。たとえば、片方に万一があったときに、その人のローン残高をカバーできる保障額の生命保険に入っておけば、残された側がローンを抱え込まずに済みます。
「団信は片方の分だけ」というペアローンの弱点を、保険で補うわけです。どの方法を選ぶにせよ、「どちらかに万一があっても、残った側にローンが重くのしかからないか」を、契約前に必ず確認しておきましょう。
ペアローンの団信は「亡くなった人の分だけ」完済されます。一方が亡くなっても、もう一方のローンは残るのが原則です。夫婦どちらかに万一があれば両方の残債が消える「夫婦連生団信」という選択肢もあるので、備えとして検討しましょう。
ペアローンを使うなら、①借入を「片方の収入でも回る範囲」に抑える ②生活防衛資金を6か月分以上残す ③持分割合を返済負担どおりに正確に設定するの3点が後悔を防ぐ鍵です。とくに持分と負担のズレは贈与税につながるので注意しましょう。
ペアローンの申し込み・審査の流れ

ペアローンを組むときの流れも、単独ローンとは少し違います。基本の4ステップを押さえておきましょう。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| ①事前審査 | 夫婦それぞれが事前審査を受ける |
| ②売買契約 | 物件の購入契約を結ぶ |
| ③本審査 | 夫婦それぞれが本審査を受ける |
| ④契約・融資実行 | 2本のローンを契約し、融資が実行される |
ポイントは、審査も契約も、夫婦それぞれが受ける・結ぶということです。どちらか一方でも審査に通らないと、予定していた借入額を確保できず、計画が崩れることもあります。とくに、片方が転職直後だったり、健康状態に不安があったりすると、その人の審査がネックになることがあります。
また、2人分の手続きが必要なため、書類の準備も2人分。源泉徴収票や本人確認書類などを、それぞれがそろえる必要があります。手間と諸費用が単独ローンより増えることも、あらかじめ知っておきましょう。事前審査は、物件探しと並行して早めに受けておくと、スケジュールに余裕が生まれます。
ペアローンが向いている人・やめた方がいい人

最後に、ペアローンが向いている夫婦と、やめた方がいい夫婦を整理します。自分たちがどちらに近いか、当てはめて考えてみてください。
| 向いている夫婦 | やめた方がいい夫婦 | |
|---|---|---|
| 収入の安定 | 2人とも安定している | どちらかが不安定 |
| 借入額 | 片方の収入でも回る範囲 | 上限いっぱいまで借りたい |
| 今後の予定 | 当分2人とも働き続ける | 近く出産・退職の予定がある |
| 予備資金 | 生活費6か月分以上ある | ほとんど貯蓄がない |
| リスク許容度 | 万一に備えて対策できる | 目先の借入額を優先しがち |
ざっくり言うと、「2人とも安定して働き続けられ、借入を無理のない範囲に抑えられる夫婦」にはペアローンが向いています。公務員同士、大企業勤務同士など、収入が安定していて、かつ借入を上限まで引き上げない夫婦なら、ペアローンのメリットを活かしやすいでしょう。
逆に、片方の収入が不安定だったり、近く出産や退職で収入が下がる予定があったりする場合は、要注意です。また、「せっかく2人で借りるのだから、できるだけ広い家を」と借入を上限いっぱいにしたい夫婦も、後悔のリスクが高まります。
こうした場合は、ペアローンにこだわらず、単独ローンや収入合算も含めて、どの組み方が自分たちに合うかを慎重に検討したほうがよいでしょう。大切なのは「みんなが使っているから」ではなく、自分たちの収入と将来設計に合っているかで選ぶことです。
【宅建FP編集部より】ペアローンは「借りられる額」で組まない
宅建FP編集部として、ペアローンでいちばんお伝えしたいことは、住宅ローン全般と同じです。それは、「借りられる額」ではなく「返せる額」で組むこと。
ペアローンは、2人の力で借入可能額を大きく広げてくれる便利な仕組みです。でも、その「大きく借りられる」という魅力そのものが、後悔の入り口になります。2人分の上限まで借りると、片方の収入が減っただけで、家計は一気に苦しくなります。
宅建士・FPの視点で相談を見ていると、ペアローンで苦しんでいる夫婦のほとんどが、「あのとき、もう少し借入を抑えておけば」と口にします。借りるときは2人ともバリバリ働いていて、将来収入が減ることなど想像もしていなかった、というのが典型です。
でも、20〜35年という長い返済期間のあいだには、出産、育児、転職、親の介護、自分自身の病気など、収入が変わる出来事が必ずといっていいほど起こります。
だからこそ、判断の軸は「片方の収入が減っても返せるか」に置いてください。具体的には、「もし妻(または夫)の収入がゼロになっても、残った収入と貯蓄で数年は返済を続けられるか」をシミュレーションしておくこと。
この備えがあれば、いざというときにも慌てずに済みます。この一点さえ守れば、ペアローンは共働き夫婦にとって、心強い味方になります。
迷ったときは、【住宅ローンで失敗する人の共通点5選】や【住宅ローンの返済負担率とは?】の記事もあわせて参考にしてみてください。
ペアローン チェックリスト
契約する前に、次の項目を夫婦で確認してみてください。
□ 借入額を「片方の収入でも回る範囲」に抑えたか
□ 生活防衛資金(生活費6か月分以上)を残せるか
□ 産休・育児・転職で収入が減る時期を想定したか
□ 持分割合を返済負担どおりに設定したか
□ 団信の保障範囲(夫婦連生団信も含めて)を確認したか
□ 諸費用が2本分かかることを見込んだか
□ 万一の離婚リスクも理解したうえで判断したか
よくある質問(FAQ)
- ペアローンと収入合算は何が違いますか?
-
ペアローンは夫婦それぞれが債務者となり、2本のローンを組む方法です。一方、収入合算は1本のローンに、もう一方の収入を合算する方法で、合算相手は連帯保証人または連帯債務者になります。ペアローンは控除も団信も2人分使えますが、諸費用も2本分かかります。
- 「ペアローンはやめとけ」と言われるのはなぜですか?
-
片方の収入が減ったときのリスクと、離婚時のトラブルが主な理由です。2人分の収入を前提に借りすぎると、産休・育児・転職などで収入が減ったときに返済が苦しくなります。仕組みを理解して無理のない額に抑えれば、有効な選択肢にもなります。
- ペアローンで片方が亡くなったらローンはどうなりますか?
-
団信は亡くなった人のローンだけが完済されます。もう一方のローンは残るため、返済は続きます。夫婦どちらかに万一があれば両方の残債が消える「夫婦連生団信」に入れば、この不安を減らせます。
- ペアローンを組んだ後に離婚したらどうなりますか?
-
ローンは名義どおり2人に残ります。財産分与は原則半分ずつですが、売却してもローンが残る(オーバーローン)と処理が難航します。また相手が返済を滞ると、連帯保証で自分に請求が来ることもあります。離婚はペアローンの最大の難所です。
- ペアローンの持分割合はどう決めればいいですか?
-
実際の返済負担の割合に合わせるのが原則です。たとえば返済を6:4で負担するなら、持分も6:4にします。負担と持分がズレると、その差額が贈与とみなされ贈与税がかかることがあります。最新の扱いは国税庁で確認しましょう。
- ペアローンだと住宅ローン控除はどうなりますか?
-
夫婦それぞれが自分の借入分について控除を受けられます。2人分の所得税・住民税から控除できるため、世帯全体では控除を使いきりやすくなる場合があります。ただし手続きもそれぞれ必要です。
- ペアローンは諸費用が高くなりますか?
-
はい。ローンを2本組むため、事務手数料・登記費用・印紙税などが、単独ローンより増える傾向があります。借入額を増やせるメリットと、こうした費用の増加を、あわせて考える必要があります。
- 妻が産休・育休に入る予定でもペアローンは組めますか?
-
組めますが、収入が下がる時期を見込んで慎重に判断すべきです。育休中は収入が減ることが多いため、その間も返済を続けられるか、予備資金は足りるかを確認しましょう。無理に2人分の上限まで借りないことが大切です。
- ペアローンが向いているのはどんな夫婦ですか?
-
2人とも収入が安定していて、借入を無理のない範囲に抑えられる夫婦に向いています。逆に、片方の収入が不安定、近く収入が下がる予定がある、借入を上限いっぱいにしたい、という場合は慎重に考えたほうがよいでしょう。
- ペアローンをやめて単独ローンにするのはどんな場合ですか?
-
片方の収入だけで無理なく返せる借入額に収まるなら、単独ローンのほうがシンプルで、離婚・収入減のリスクも小さいです。控除や借入額のメリットより、リスクの小ささを優先したい夫婦には単独ローンが向いています。
- ペアローンで後悔しないためにいちばん大事なことは?
-
「借りられる額」ではなく「片方の収入でも返せる額」で借りることです。2人分だから多く借りられる、ではなく、万一どちらかの収入が減っても回る範囲に抑える。この一点を守れば、ペアローンの後悔はほとんど防げます。
まとめ:ペアローンは「片方の収入でも返せる額」で
最後に、この記事の要点を整理します。
- ペアローンは、夫婦がそれぞれ債務者となって2本のローンを組む方法
- メリットは、借入額を増やせる・控除と団信を2人分使えること
- 後悔する人の特徴は、2人分を前提に借りすぎること
- 団信は片方の分だけ、離婚時は名義どおり残る、持分ズレで贈与税——見落としがちなリスクに注意
- 対策の鍵は、「片方の収入でも返せる額」に抑え、予備資金を残すこと
ペアローンは、正しく使えば共働き夫婦の強い味方ですが、借りすぎると後悔のもとになります。2人でしっかり話し合い、無理のない範囲で、将来にわたって安心して返せる計画を立てていきましょう。
免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品、不動産取引、住宅ローン契約、保険商品、税務手続き、投資行動を推奨するものではありません。税制・制度や条件は変更される場合があるため、最新情報は金融機関・国税庁・公的機関などの公式情報をご確認ください。最終的な判断は、必要に応じて専門家にご相談ください。

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