年収別に買っていい家の価格目安|無理のない住宅購入を宅建FPが解説

年収別 買っていい家の価格目安

「うちの年収だと、いくらくらいの家が買えるんだろう?」——マイホームを考え始めたとき、まず気になるのがこれですよね。

ネットで調べると「年収の5倍」「いや7倍」「返済負担率で考えよう」と、いろいろな目安が出てきて、かえって混乱してしまう人も多いはずです。

そこでこの記事では、宅建FP編集部が、年収別に買っていい家の価格目安を、わかりやすい早見表で整理します。年収300万円から1,000万円まで、それぞれの借入額・毎月返済額・物件価格の目安がひと目でわかります。

先に、いちばん大切な結論をお伝えします。それは、「借りられる額」ではなく「無理なく返せる額」で予算を決めるということ。この視点さえ持っていれば、年収別の目安を正しく使えます。実際の年収倍率のデータは、住宅金融支援機構のフラット35利用者調査などの公的情報でも確認できます。

この記事でわかること
  • 家の予算は年収の何倍が目安か
  • 年収別(300〜1000万円)の借入額・毎月返済額・物件価格の早見表
  • 「借りられる額」と「無理なく返せる額」の違い
  • 金利で返済額がどれだけ変わるか
  • 無理のない予算を決めるときの注意点
目次

家の予算は年収の何倍が目安?

家の予算は年収の何倍が目安?

家の価格の目安としてよく使われるのが、年収倍率です。「家の価格は年収の何倍か」というシンプルな考え方で、一般には年収の5〜7倍が目安とされます。

たとえば年収500万円なら、5倍で2,500万円、7倍で3,500万円、という具合です。実際、フラット35利用者の年収倍率は、物件の種類によって差があります。おおまかなイメージは次のとおりです。

物件タイプ 年収倍率の目安
中古マンション 約5〜6倍
中古戸建て 約5〜6倍
建売住宅 約6〜7倍
新築マンション 約7倍前後
土地付き注文住宅 約7〜7.5倍

土地から買って家を建てる注文住宅は倍率が高く、中古は低めになる傾向があります。つまり、同じ年収でも「どんな家を買うか」で、無理のない価格は変わってくる、ということです。まずは「自分はどのタイプの家を検討しているか」を意識すると、目安がつかみやすくなります。

年収倍率は「入口の目安」にすぎない

ただし、年収倍率には弱点があります。それは、金利・返済期間・他の借入・家族構成を反映しない、大まかな目安だということ。同じ「年収の6倍」でも、金利が上がれば毎月の返済は重くなりますし、教育費のかかる家庭とそうでない家庭では、無理のなさがまったく違います。

年収倍率は、ざっくり予算感をつかむ「入口の目安」と考えましょう。たとえば「年収の7倍まで大丈夫」と聞いても、金利が高い時期や、教育費のかかる家庭では、7倍だと重すぎることもあります。逆に、借入が少なく金利も低ければ、もう少し余裕があることもあります。倍率はあくまで最初のあたりをつけるための数字、と割り切ることが大切です。

最終判断は「返済負担率」で

より確実なのが、返済負担率です。これは、年収に対して年間の返済額がどれくらいの割合かを示す数字で、次のように考えます。

  • 銀行の審査基準:返済負担率30〜35%程度まで
  • 無理のない目安:手取りの20〜25%以内

年収倍率でざっくり見当をつけ、返済負担率で無理のなさを確かめる。この2段構えで考えると、予算を大きく外しません。

【年収別】買っていい家の価格早見表

【年収別】買っていい家の価格早見表

お待たせしました。ここが記事のメインです。年収別に、無理のない借入額・毎月返済額・買える物件価格の目安を早見表にしました。

下の表は、返済負担率25%・金利1.5%・35年返済・頭金1割で計算した目安です(前提で変わるため、あくまで目安です)。

額面年収 毎月返済額の目安 借入額の目安 物件価格の目安(頭金1割込み)
300万円 約6.2万円 約2,040万円 約2,270万円
400万円 約8.3万円 約2,720万円 約3,020万円
500万円 約10.4万円 約3,400万円 約3,780万円
600万円 約12.5万円 約4,080万円 約4,540万円
700万円 約14.6万円 約4,760万円 約5,290万円
800万円 約16.7万円 約5,440万円 約6,050万円
1,000万円 約20.8万円 約6,800万円 約7,560万円

この表の使い方:まず自分の年収の行を見て、毎月返済額と物件価格の目安をつかみます。頭金をもっと入れられるなら、その分だけ買える物件価格は上がります。逆に頭金なしなら、物件価格の目安は借入額と同じになります。

たとえば年収500万円の人なら、「毎月10万円ほどの返済で、物件価格3,800万円くらいまでが一つの目安」と読み取れます。

ここに、諸費用(物件価格の5〜9%)が別途かかる点も忘れないようにしましょう。3,800万円の物件なら、諸費用だけで200万〜340万円ほど必要です。

ただし、繰り返しになりますが、これは「返済負担率25%」での目安。この額いっぱいまで借りると、家計にゆとりがなくなりがちです。次の章で、その理由を詳しく見ていきます。

返済期間でも「買える価格」は変わる

早見表は「35年返済」で計算していますが、返済期間を短くすると、同じ毎月返済額でも借りられる額は減ります。たとえば毎月10.4万円(年収500万円・25%)返せる場合、35年なら約3,400万円借りられますが、25年だと約2,600万円ほどに下がります。

期間を長くすれば毎月の返済は軽くなり、買える価格は上がりますが、その分総返済額は増え、完済年齢も上がります。 35歳で35年ローンを組むと、完済は70歳。年金生活に入ってからも返済が続く計算です。「買える価格を上げるために期間を延ばす」のは、完済年齢とのバランスを見て慎重に判断しましょう。

早見表はあくまで「返済負担率25%・金利1.5%・35年」での目安です。同じ年収でも、家族構成・教育費・他の借入で無理のない額は変わります。数字を鵜呑みにせず、自分の家計に当てはめて考えましょう。手取りで見ると、もう少し控えめが安心です。

「借りられる額」と「無理なく返せる額」は違う

「借りられる額」と「無理なく返せる額」は違う

早見表を見て、「思ったより高い家が買えそう」と感じた人もいるかもしれません。でも、ここでいちばん大切な注意点をお伝えします。それは、早見表の金額は「借りられる目安」に近く、「無理なく返せる額」はもう少し下だということです。

2つの「額」は別もの

項目 借りられる額 無理なく返せる額
決める人 銀行 あなた自身
基準 額面年収・返済負担率 手取り・生活費・将来の出費
目的 貸し倒れを防ぐ 暮らしと将来を守る
どちらで決める? 参考程度 こちらを優先

銀行が見ているのは「回収できるか(貸し倒れないか)」であって、あなたの暮らしにゆとりがあるかまでは見ていません。だから、審査に通る額まで借りると、生活が苦しくなりがちなのです。

具体的に考えてみましょう。年収500万円の人が、早見表の目安いっぱいの3,400万円を借りたとします。毎月の返済は約10.4万円。ここに、固定資産税や修繕費などの維持費が月2万円ほど乗ると、住居費は毎月12万円を超えます。

手取りが月33万円だとすると、住居費を引いて残るのは約21万円。ここから食費・光熱費・教育費・保険・通信費などを払うと、貯蓄に回せるお金はほとんど残りません。これが「借りられる額で買う」ことの実態です。

だからこそ、目安から少し下げて、ゆとりを持たせることが大切なのです。

手取りで見ると、目安はもっと下がる

早見表は額面年収がベースですが、実際に使えるのは手取りです。手取りは額面の約8割。手取りベースで返済負担率20%に抑えると、目安の借入額は下がります。

額面年収 手取り基準(20%)の借入額の目安
400万円 約1,740万円
500万円 約2,180万円
600万円 約2,610万円

額面基準の早見表と比べると、かなり控えめな金額になります。なぜこれほど差が出るかというと、額面年収500万円でも、税金や社会保険料が引かれて、手取りは約400万円まで減るからです。生活で実際に使えるのは手取りなので、手取りベースで見るほうが、暮らしの実感に近い予算になります。

「絶対に無理をしたくない」「これから教育費が増える」「変動金利で借りる」という人は、この手取り基準を目安にすると安心です。逆に、収入が安定していて、当分大きな出費の予定がない人なら、額面基準に近い水準でも回せるかもしれません。

実際の予算は、額面基準と手取り基準の間で、自分の家計と将来設計に合わせて決めるのが現実的です。大切なのは、「どちらの基準で考えているか」を自覚したうえで判断することです。

早見表の金額は、多くのサイトが使う「借りられる目安」に近い水準です。でも、「借りられる額」と「無理なく返せる額」は別もの。安心を重視するなら、この目安から1〜2割ほど下げて考えると、暮らしにゆとりが生まれます。

金利で毎月返済・総額はこんなに変わる

金利で毎月返済・総額はこんなに変わる

早見表は金利1.5%で計算しましたが、金利が変わると、毎月の返済額は大きく変わります。 ここも予算を決めるうえで欠かせない視点です。

3,000万円を35年で借りた場合の、金利別の毎月返済額を見てみましょう。

金利 毎月返済額
0.5% 約77,900円
1.0% 約84,700円
1.5% 約91,900円
2.0% 約99,400円
2.5% 約107,200円

金利が0.5%から2.5%に上がるだけで、毎月の返済は約2.9万円も増えます。35年では、総額で1,000万円以上の差になることもあります。

見方を変えると、金利が上がると「同じ毎月返済額で借りられる額」が減る、ということでもあります。たとえば毎月10万円返せる場合、金利0.5%なら約3,850万円借りられますが、金利2.5%なら約2,800万円まで下がります。

つまり、金利が上がると、同じ年収でも買える家の価格は下がるのです。2026年のように金利が動いている局面では、この点をとくに意識しておく必要があります。

「今は低金利だから」と上限まで借りると、将来金利が上がったときに、返済額の増加に耐えられなくなります。

とくに注意したいのが変動金利です。当初は低くても、将来金利が上がれば返済額も増えます。「今の低い金利で計算した早見表の上限まで借りる」と、金利が上がったときに一気に苦しくなります。変動で借りるなら、金利が2%台に上がっても払えるかを確認したうえで、予算を決めましょう。

同じ借入額でも、金利が変わると毎月の返済額は大きく変わります。変動金利なら、将来金利が上がったときの返済額まで見て予算を決めること。今の低い金利だけで上限まで借りると、金利上昇時に苦しくなります。

頭金と物件価格の関係|物件価格=借入+頭金

頭金と物件価格の関係|物件価格=借入+頭金

「買える物件価格」を考えるときの基本の式が、これです。

買える物件価格 = 借入額 + 頭金

早見表の借入額に、自分が用意できる頭金を足せば、買っていい物件価格の目安が出ます。たとえば年収500万円で借入3,400万円、頭金500万円なら、物件価格の目安は3,900万円、というわけです。

同じ年収でも、頭金を1,000万円用意できる人なら、物件価格の目安は4,400万円まで上がります。つまり、買える家の価格は「年収」だけでなく「どれだけ頭金を用意できるか」でも変わる、ということです。

これから家を買う予定なら、早いうちから頭金を計画的に貯めておくと、選べる物件の幅が広がります。ただし、頭金づくりに気を取られて物件価格が上がりすぎている間に、価格や金利が上がってしまっては本末転倒。

頭金と購入タイミングのバランスも意識しておきましょう。

頭金を増やすと物件価格は上がるが…

頭金を多く入れれば、その分だけ買える物件価格は上がります。しかも、頭金は借入元金を減らすので、35年間ずっと利息を減らす効果があります。たとえば頭金を600万円入れると、頭金なしに比べて総返済額が数百万円軽くなることもあります。

ただし、ここで無理をして貯金を使い切ってはいけません。病気・失業・急な出費に備える生活防衛資金(生活費の半年〜1年分)は必ず手元に残すこと。頭金は、その残ったお金の範囲で入れましょう。

「頭金を増やして買える価格を上げる」ことと、「手元資金を残して万一に備える」ことのバランスが大切です。せっかく広い家を買えても、貯金がゼロでは、家電が壊れただけで家計が揺らいでしまいます。

頭金なしでも家は買える

頭金がどうしても用意できない場合でも、家を買えないわけではありません。頭金なし(フルローン)でも、借入額を早見表の範囲、できればそれより控えめに抑えれば、問題ないケースは多くあります。大切なのは、頭金の有無そのものより、借入額が無理のない範囲に収まっているかです。

ただし、頭金なしにはいくつか注意点もあります。借入が増える分、毎月の返済も総利息も重くなりますし、フラット35のように、頭金(融資率)が1割以上あるかどうかで金利が変わる商品もあります。

また、物件価格に加えて諸費用(物件価格の5〜9%)もかかるので、せめて諸費用の分は自己資金で用意できると安心です。頭金なしを選ぶなら、その分、借入額をより控えめにする——このバランス感覚が大切です。

年収別に見る「買える家」のイメージ

年収別に見る「買える家」のイメージ

早見表の数字だけではイメージしにくいので、年収帯ごとに「どんな家が現実的か」をざっくり見てみましょう(エリアによって価格は大きく変わるため、あくまで一般的なイメージです)。

年収300〜400万円台:物件価格の目安は2,300万〜3,000万円ほど。中古マンションや、郊外の建売戸建てが現実的な選択肢になります。この年収帯では、無理に新築や広さを求めず、価格を抑えた物件から検討するのが安心です。頭金を少しでも用意できると、選択肢が広がります。

年収500〜600万円台:物件価格の目安は3,800万〜4,500万円ほど。エリアを選べば、新築の建売戸建てや、条件のよい中古マンションにも手が届きます。都心の新築マンションは難しくても、郊外や中古なら十分に選べる価格帯です。ただし、この年収帯は「もう少し頑張れば」と予算を引き上げやすいので、返済負担率を意識して抑えることが大切です。

年収700〜800万円台:物件価格の目安は5,300万〜6,000万円ほど。注文住宅や、立地のよい新築マンションも視野に入ります。選択肢が大きく広がる分、つい上限まで借りたくなりますが、教育費や老後まで見据えて、余裕を持った予算にしておきましょう。

年収1,000万円以上:物件価格の目安は7,500万円前後まで。選択肢は大きく広がりますが、注意も必要です。収入が高い人ほど生活水準も上がりがちで、支出も多く、意外と貯蓄ができていないケースもあります。「年収が高いから大丈夫」と油断せず、手取りと実際の家計から、返せる額で考える姿勢が大切です。

どの年収帯にも共通するのは、「買える上限」ではなく「無理なく返せる額」で選ぶということ。とくに年収が上がるほど、上限まで借りたくなる誘惑も大きくなるので、注意しましょう。また、ここで挙げた物件のイメージは、あくまで一般論です。

同じ予算でも、エリアによって買える家はまったく変わります。都心と郊外、都市部と地方では、物件価格の相場が大きく異なるため、自分が住みたいエリアの相場を、実際の物件情報で確認しておくことが大切です。

予算を決めるときの注意点|将来の年収で考える

予算を決めるときの注意点|将来の年収で考える

最後に、年収別の目安を使ううえでの、大切な注意点をお伝えします。

「今の年収」ではなく「これからの年収」で考える

住宅ローンは20〜35年の長い付き合いです。その間、年収がずっと同じとは限りません。「これから昇給するから」と、将来の年収を当てにして上限まで借りると、想定どおり上がらなかったときに苦しくなります。近年は、必ずしも年功で給料が右肩上がりに増える時代ではなくなっています。昇給を前提にした計画は、その前提が崩れたときのリスクが大きいのです。

逆に、定年後は収入が下がるのが一般的です。退職金を返済に充てる前提だと、老後資金が不足するおそれもあります。借りるときの年収だけでなく、これからの収入の変化まで見込んで予算を決めましょう。安全側に考えるなら、「今の年収で無理なく返せる額」を基準にし、昇給はあくまで「余裕ができたら繰上返済に回すおまけ」と捉えておくと、後悔しにくくなります。

教育費のピークと重ならないか確認する

子どもの高校・大学の教育費は、家計の大きな山です。子ども1人あたり、進路によっては1,000万円以上かかるといわれ、とくに高校・大学の時期に出費が集中します。

今は問題なく返せていても、この教育費のピークと住宅ローンの返済が重なると、一気に苦しくなることがあります。30代前半で家を買った場合、子どもの大学進学は、ちょうど返済のなかば。

残債もたっぷり残っている時期に、年間100万円を超える教育費が乗ってくるのです。予算を決めるときは、将来のライフイベントを時間軸で並べて、大きな出費と返済が重ならないかを確認しておきましょう。

共働きは「片方の収入が減っても返せるか」

共働きで2人の収入を合わせれば、買える家の価格は大きく上がります。たとえば夫婦それぞれ年収500万円なら、世帯年収1,000万円として、早見表では7,000万円台の物件も視野に入ります。でも、それは「2人ともずっとフルタイムで働き続ける」前提の額です。

出産・育児で片方が育休や時短勤務になれば、世帯収入は一時的に大きく下がります。そのとき、2人分の収入を前提に組んだ返済が、片方に重くのしかかります。

だからこそ、共働きで予算を考えるときは、「片方の収入が減っても返せる範囲か」を必ず確認してください。目安としては、収入の高いほう1人の収入だけでも、返済負担率が大きく跳ね上がらない程度に抑えられると安心です。

ペアローンや収入合算で借入を増やす場合は、とくに慎重に判断しましょう。

予算は「今の年収」だけでなく「これからの年収」で考えましょう。昇給を前提に借りると、想定どおり上がらなかったときに苦しくなります。逆に、教育費や老後の出費まで見込んで控えめにすれば、後悔しにくい予算になります。

目安より高い家を買いたいときの方法と注意点

目安より高い家を買いたいときの方法と注意点

「早見表の目安だと、ほしい家に届かない」——そう感じる人もいるでしょう。目安より高い家を買う方法はありますが、それぞれに注意点があります。

方法 効果 注意点
頭金を増やす 借入を減らせる 手元資金を使い切らない
返済期間を延ばす 毎月返済が軽くなる 総返済額が増え、完済が高齢に
共働きで収入合算・ペアローン 借入可能額が増える 片方の収入減で一気に苦しく
物件のエリア・広さ・築年数を見直す 同じ予算で選択肢が広がる 立地や条件の妥協が必要

このなかで、いちばん健全なのは物件の条件を見直すことです。エリアを少し郊外にする、広さを見直す、新築ではなく築浅の中古にする——こうした工夫で、予算を上げずに希望に近い家を見つけられることがあります。

一方、返済期間の延長やペアローンで「借りられる額」を増やす方法は、無理をすれば後悔のもとになります。

とくにペアローンは、片方の収入が減ったときのリスクや、離婚時のトラブルなど、独特の注意点があります(詳しくは【ペアローンで後悔する人の特徴】の記事も参考にしてください)。

「借りられる額を増やす」よりも「返せる範囲で希望に近づける」という発想が、後悔しないコツです。

無理のない予算を決める4ステップ

年収別の目安を踏まえて、実際に予算を決める手順を4ステップで整理します。

STEP
毎月無理なく返せる額を決める

手取りの20〜25%を目安に、毎月いくらまでなら無理なく返せるかを決めます。ここが予算の出発点です。

STEP
借入額を逆算する

毎月返せる額から、金利・返済期間をもとに借入額の上限を計算します。早見表を目安に使えます。

STEP
頭金を足して物件価格を出す

借入額に、無理のない範囲で用意できる頭金を足すと、買っていい物件価格の目安が出ます。

STEP
諸費用・維持費・将来の出費を確認する

物件価格だけでなく、諸費用・維持費・教育費のピークまで見込んで、総額で無理がないか最終確認します。

この順番で考えれば、「早見表の上限まで借りて後悔」を避けられます。多くの人は「①ほしい物件を決める→②いくら借りられるか調べる」という順番で進めますが、これだと物件への気持ちが先行して、つい予算を引き上げてしまいます。

順番を逆にして、「①返せる額を決める→②借入額を逆算→③その範囲で物件を探す」とするだけで、借りすぎを防げます。少し面倒に感じても、この順番を守ることが、後悔しないためのいちばん確実な方法です。早見表はあくまで出発点。

そこから自分の家計に合わせて調整していくことが大切です。

【宅建FP編集部より】数字は「返せる額」から逆算しよう

宅建FP編集部として、年収別の予算でいちばんお伝えしたいのは、数字は「返せる額」から逆算するということです。

年収別の早見表は便利ですが、これを「これだけ借りられる」という上限として使うと、借りすぎのもとになります。そうではなく、「毎月これだけなら無理なく返せる」という額から逆算して、借入額・物件価格を決める。順番を逆にするだけで、後悔する確率はぐっと下がります。

相談を受けていると、後悔している人ほど「不動産会社に『これくらい借りられますよ』と言われて、その額で家を決めた」と話します。でも、その「借りられる額」は、あくまで銀行が貸せる上限。あなたの暮らしにゆとりが残るかどうかは、別の話です。

営業担当者は家を売るのが仕事ですから、悪気なく予算を引き上げようとすることもあります。「家賃並みの返済で買えますよ」という言葉も要注意で、家賃には固定資産税や維持費は含まれていません。

だからこそ、他人の言う「借りられる額」ではなく、自分で計算した「返せる額」を予算の軸にしてください。家は、価格の大きさより「無理なく返し続けられるか」が大切です。

判断に迷うときは、中立的なFPに相談して、第三者の目で家計を見てもらうのも有効です。あわせて【年収500万円で住宅ローンはいくらまで借りていい?】や【住宅ローンの返済負担率とは?】の記事も参考にしてみてください。

年収別・予算チェックリスト

物件を探し始める前に、次の項目を確認してみてください。

□ 自分の年収の早見表の目安を把握したか
□ 予算を「借りられる額」ではなく「返せる額」で考えたか
□ 手取りベースでも無理がないか確認したか
□ 金利が上がったときの返済額を確認したか
□ 頭金を入れても生活防衛資金は残るか
□ 諸費用・維持費を見込んだか
□ 教育費のピークや将来の収入変化を考えたか

よくある質問(FAQ)

家の価格は年収の何倍までが目安ですか?

一般的には年収の5〜7倍が目安とされます。年収500万円なら2,500万〜3,500万円ほど。ただし年収倍率は金利や家計を反映しない大まかな目安なので、最終判断は返済負担率(手取りの20〜25%)で考えるのがおすすめです。

年収400万円だと、いくらの家が買えますか?

返済負担率25%・金利1.5%・35年の目安で、借入は約2,700万円。頭金1割を足すと、物件価格は約3,000万円が一つの目安です。ただし手取りで考えると、もう少し控えめにするとより安心です。

年収500万円だと、いくらの家が買えますか?

同じ条件の目安で、借入は約3,400万円、頭金1割込みで物件価格は約3,800万円が目安です。教育費や将来の出費を考えると、3,000万円台前半に抑えると余裕を持ちやすくなります。

年収600万円だと、いくらの家が買えますか?

同じ条件の目安で、借入は約4,080万円、頭金1割込みで物件価格は約4,500万円が目安です。年収が上がるほど選択肢は広がりますが、上限まで借りず、返せる額に抑えることが大切です。

早見表の金額まで借りても大丈夫ですか?

早見表は「借りられる目安」に近い水準です。安心して返すなら、この額から1〜2割下げるのがおすすめです。とくに変動金利で借りる場合や、これから教育費が増える家庭は、控えめにしておくと後悔しにくくなります。

共働きなら、もっと高い家を買えますか?

2人の収入を合わせれば予算は広がりますが、片方の収入が減っても返せる範囲かを必ず確認しましょう。出産・育児で世帯収入が下がる可能性を見込み、2人分の上限まで借りないことが大切です。

頭金がないと、買える家の価格は下がりますか?

頭金がない分、物件価格の目安は借入額と同じになります。ただし頭金なし(フルローン)でも、借入を返せる額に抑えれば買えるケースは多いです。頭金の有無より、借入額が無理のない範囲かが重要です。

手取りで考えると、買える家の価格はどう変わりますか?

手取りは額面の約8割なので、手取りベースで返済負担率20%に抑えると、目安の借入額は下がります。たとえば年収500万円なら、手取り基準では借入約2,200万円ほど。より安全側で考えたい人は、手取り基準で見るとよいでしょう。

金利が上がると、買える家の価格は下がりますか?

はい。金利が上がると、同じ毎月返済額でも借りられる額が減ります。変動金利で借りる場合は、将来金利が上がったときの返済額まで見て、余裕を持った予算にしておくことが大切です。

年収別の目安より高い家を買いたい場合はどうすれば?

頭金を増やす、返済期間を見直す、物件のエリアや広さ・新築中古を再検討する、といった方法があります。ただし無理に予算を引き上げるのは禁物。返済負担率が目安を超えないかを必ず確認しましょう。

まとめ:早見表は「出発点」、判断は「返せる額」で

最後に、この記事の要点をあらためて整理します。

  • 家の価格の目安は年収の5〜7倍。ただし年収倍率は入口の目安
  • 年収別の早見表で、借入額・毎月返済額・物件価格の目安がわかる
  • ただし早見表は「借りられる目安」。無理なく返すなら1〜2割下げる
  • 金利・頭金・将来の年収まで見込んで、総額で判断する
  • いちばん大事なのは、「借りられる額」ではなく「返せる額」から逆算して予算を決めること

年収別の目安は、予算を考える便利な出発点です。でも、そこで止まらず、自分の家計と将来に合わせて調整することが、後悔しない住宅購入への近道です。焦って物件から入るのではなく、まず「わが家の予算」をしっかり固めることから始めましょう。準備さえできていれば、マイホームは暮らしを豊かにしてくれる、心強い味方になってくれます。

免責事項

本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品、不動産取引、住宅ローン契約、投資行動を推奨するものではありません。金利や制度・条件は変更される場合があるため、最新情報は金融機関・公的機関などの公式情報をご確認ください。

試算はあくまで一定の前提に基づく目安であり、実際の借入可能額や返済額は金融機関の審査・条件によって異なります。最終的な判断は、必要に応じて専門家にご相談ください。

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この記事を書いた人

競売物件を専門に扱う不動産会社に勤務し、その後独立。住宅ローンを返せず家を手放す方を、数多く見てきました。その多くは「知らなかった」ことが原因でした。だからこのサイトでは、買う前・売る前に知っておけば防げることを、デメリットも隠さずに書いています。宅地建物取引士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士。

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