「マイホームがほしいけど、何から始めて、どう進めばいいのかわからない」——初めての家の購入は、わからないことだらけで不安になりますよね。物件探しから引渡しまで、いくつものステップがあり、専門用語も多く登場します。
でも、大丈夫です。全体の流れを先に知っておけば、一つずつ着実に進められます。 逆に、流れを知らないまま進めると、「重要な確認を飛ばしてしまった」「手付金でトラブルになった」といった後悔につながりかねません。
この記事では、宅建士・FPの視点から、マイホーム購入の流れを10ステップでわかりやすく解説します。各ステップでやること、必要書類、期間、そして初心者がつまずきやすい注意点まで、順を追ってお伝えします。資金計画の考え方は、住宅金融支援機構のフラット35などの公的情報も参考になります。
- マイホーム購入の全体の流れ(10ステップ)と期間の目安
- 各ステップでやること・必要書類・注意点
- 宅建士が解説する重要事項説明・売買契約のポイント
- 手付金・住宅ローン特約など、契約で失敗しないための知識
- 引渡し・入居・確定申告までの段取り
マイホーム購入の全体像|流れと期間の目安

まずは、購入の全体像をつかみましょう。マイホーム購入は、大きく次の10ステップで進みます。
相場を把握し、無理のない予算(返せる額)を決めます。ここが購入のスタートです。
ポータルサイトや不動産会社で物件を探し、気になる物件は実際に見に行きます。
買いたい物件が決まったら、購入申込書を出します。申込証拠金が必要なこともあります。
借入可能かの見込みを確認します。売買契約の前に受けておくのが基本です。
宅建士から重要事項説明を受け、内容に納得したら売買契約を結び、手付金を払います。
契約後、住宅ローンの本審査を受け、通ったら金融機関とローン契約を結びます。
引渡し前に、物件の状態を最終確認します。不具合があれば直してもらいます。
残りの代金を支払い、所有権の登記を行い、鍵を受け取ります。ここで自分の家になります。
引っ越して入居。翌年に確定申告をして、住宅ローン控除を受けます。
いきなり物件を探し始めるのではなく、まず資金計画から入るのがポイントです。予算が固まっていないと、物件選びの軸が定まらず、予算オーバーの物件に惹かれて借りすぎる、という失敗につながります。
大きな流れとしては、「お金の準備(STEP1〜4)→ 契約(STEP5〜6)→ 引渡し・入居(STEP7〜9)」の3つのかたまりで捉えると、全体像がつかみやすくなります。
前半は「いくらで、どの物件を、どう買うか」を固める段階。中盤は「契約とローン」という、いちばん重要でお金も動く段階。後半は「物件を受け取り、住み始める」段階です。
それぞれの段階で、やること・必要な書類・注意点が変わります。この記事では、各ステップを順番に、一つずつ見ていきます。
購入にかかる期間の目安
購入にかかる期間は、物件の種類によって大きく変わります。
| 物件タイプ | 期間の目安 |
|---|---|
| 新築の建売住宅 | 約1〜2か月 |
| 中古住宅(戸建て・マンション) | 約2〜3か月 |
| 注文住宅・建築前の物件 | 約1年〜1年半 |
これはあくまで、物件が決まってからの目安です。物件探しにかかる時間は人それぞれで、じっくり探せば半年以上かかることもあります。とくに、賃貸に住んでいる人は、退去の予告(通常1か月前)が必要なので、入居希望日から逆算してスケジュールを組みましょう。焦って決めると後悔のもとなので、時間には余裕を持たせておくのがおすすめです。
購入にかかる期間は、中古なら2〜3か月、新築の建売なら1〜2か月、注文住宅は1年以上が目安です。とくに住宅ローンの審査や、賃貸の解約予告(通常1か月前)などで時間がかかるため、入居希望日から逆算してスケジュールを組みましょう。
STEP1〜2:情報収集・資金計画と物件探し

最初のステップは、情報収集と資金計画、そして物件探しです。ここが購入の土台になります。
STEP1:情報収集・資金計画
まず、「いくらまでなら無理なく買えるか」を決めます。これがすべての出発点です。銀行が貸してくれる額ではなく、自分が無理なく返せる額(返済負担率は手取りの20〜25%以内が目安)から、予算を逆算しましょう。
あわせて、購入したいエリアの相場も調べておきます。SUUMOやLIFULL HOME’S、アットホームなどのポータルサイトを使えば、希望条件に合う物件のおおよその価格帯がつかめます。「この予算だと、このエリアでこのくらいの家が買える」という感覚を持っておくと、物件探しがスムーズになります。
物件価格だけでなく、購入時の諸費用や、購入後の維持費も、この段階で見込んでおきましょう。とくに諸費用は見落としがちなので、内訳を知っておくと安心です。
| 費用 | 内容 |
|---|---|
| 登記費用 | 所有権移転・抵当権設定の登記 |
| ローンの事務手数料・保証料 | 借入額に応じてかかる |
| 火災保険・地震保険 | 契約時にまとめて払うことも |
| 不動産取得税・印紙税 | 購入・契約にかかる税金 |
| 仲介手数料 | 中古物件などで不動産会社に払う |
これらを合計すると、物件価格の5〜9%程度になります。3,000万円の物件なら、150万〜270万円ほど。この諸費用は、住宅ローンに含めて借りることもできますが、借入が増える分、返済も重くなります。できれば自己資金で用意しておくと安心です。「物件価格=必要なお金」ではない——これが、資金計画で最初に押さえるべきポイントです。
STEP2:物件探し・内見(見学)
予算と条件が固まったら、いよいよ物件探しです。物件の探し方には、大きく次のような方法があります。
- ポータルサイト:SUUMO・LIFULL HOME’S・アットホームなどで、条件を絞って探す
- 不動産会社に相談:希望を伝えて、条件に合う物件を紹介してもらう
- 現地・チラシ:住みたいエリアを歩いたり、新聞折込チラシを見たりする
このとき、希望条件に優先順位をつけておくのがコツです。「駅からの距離」「広さ」「価格」「築年数」「学区」など、すべてを満たす物件はなかなかありません。「絶対に譲れない条件」と「妥協できる条件」を分けておくと、物件選びで迷いにくくなります。条件を欲張りすぎると、いつまでも決められない、という状態にもなりがちです。
気になる物件が見つかったら、必ず実際に見に行きましょう(内見)。
内見では、写真ではわからない点をチェックします。具体的には、次のようなポイントを見ておきましょう。
| チェック場所 | 見るポイント |
|---|---|
| 日当たり・風通し | 各部屋の明るさ、窓の向き、隣家との距離 |
| 周辺環境 | 騒音・におい・交通量、スーパーや学校の距離 |
| 部屋・収納 | 広さの感覚、収納量、コンセントの位置 |
| 水回り | キッチン・浴室・トイレの使いやすさ、水圧 |
| 設備(中古) | エアコン・給湯器などの状態、傷み具合 |
| 共用部(マンション) | エントランス・ゴミ置き場・駐輪場の管理状態 |
とくに、コンセントの位置と数、収納量、携帯電話の電波は、住んでから「しまった」となりやすいポイントです。写真ではわからないので、その場で確認しておきましょう。
可能なら、平日と休日、昼と夜など、時間帯を変えて周辺環境を確認すると、より安心です。日中は静かでも、夜は人通りが多い、といったこともあります。
物件だけでなく、「その街に住む自分」をイメージしながら見ることが大切です。気になる点はメモや写真に残しておくと、複数の物件を比べるときに役立ちます。
STEP3〜4:購入の申し込みと住宅ローンの事前審査

買いたい物件が決まったら、購入の意思を示す手続きに進みます。
STEP3:購入の申し込み
購入したい物件が決まったら、購入申込書(買付証明書)を提出します。これは「この物件を、この条件で買いたい」という意思表示で、価格や引渡し時期などの交渉のスタートになります。
このとき、申込証拠金(1〜10万円程度)を預けることがあります。これは購入の意思を示すためのもので、契約に進めば代金に充当され、契約に至らなければ原則返還されます。ただし、返還の条件は事前に確認しておきましょう。「手付金」とは別のお金なので、混同しないよう注意が必要です。
購入申込では、価格や引渡し時期のほか、設備の補修などの条件を交渉できることもあります。とくに中古物件では、価格交渉が行われることも珍しくありません。
ただし、人気物件で他に購入希望者がいる場合は、条件を欲張りすぎると他の人に決まってしまうことも。「どうしてもこの物件がほしい」のか、「条件が合えば買いたい」のかを、自分のなかで整理しておくと、交渉の判断がしやすくなります。
ここは、信頼できる不動産会社の担当者に相談しながら進めるとよいでしょう。
なお、購入申込は、まだ契約ではありません。売買契約を結ぶ前なら、基本的にキャンセルできます。 焦らず、次の事前審査や重要事項説明の内容を確認してから、最終判断をしましょう。
STEP4:住宅ローンの事前審査
購入申込と前後して、住宅ローンの事前審査を受けます。これは「あなたにいくらまで貸せそうか」の見込みを、短期間(3〜4日程度)で確認するものです。
事前審査に通っておくと、売主に「この人はローンを組めそうだ」と示せるため、話を進めやすくなります。年収・勤続年数・健康状態・信用情報・他の借入などが見られます。売買契約の前に、この事前審査を通しておくのが基本です。契約してから「ローンが組めなかった」となると大変だからです。
事前審査に必要な書類は、本人確認書類、収入を証明するもの(源泉徴収票など)、物件の資料などが一般的です。
金融機関によって審査の基準は違うため、複数の金融機関で事前審査を受けて、金利や条件を比較するのも有効です。ただし、短期間に何社も申し込むと信用情報に照会履歴が残るため、2〜3社に絞るのが現実的です。
もし審査に不安がある場合は、事前に自分の信用情報を確認したり、他の借入を整理したりしておくと安心です。審査の詳しい話は【住宅ローンの事前審査とは?】の記事も参考にしてください。
STEP5:【宅建士が解説】重要事項説明と売買契約

ここが、購入プロセスでいちばん重要な場面です。宅建士の視点から、しっかり解説します。
重要事項説明とは
売買契約を結ぶ前に、宅地建物取引士が「重要事項説明」を行います。これは、その物件に関する重要な情報を、契約前に書面で説明する、法律で定められた手続きです。
説明される内容は、たとえば次のようなものです。
- 権利関係:所有権や、抵当権などの有無
- 法令上の制限:建ぺい率・容積率、再建築の可否など
- インフラ:水道・ガス・電気の整備状況
- 契約解除の条件:手付解除、住宅ローン特約など
- 手付金や諸費用の扱い
これらは、後でトラブルになりやすい点が凝縮されています。たとえば、中古物件で「境界があいまい」だったり、「再建築ができない土地」だったり、「私道の持分がない」といったことは、重要事項説明で明らかになります。こうした点を知らずに買うと、後で「思っていた家と違った」「建て替えられない」といったトラブルにつながります。
わからない用語や、気になる点は、その場で必ず質問してください。 「よくわからないけど、大丈夫だろう」で進めるのが、いちばん危険です。宅建士は、宅地建物取引業法にもとづいて説明する義務がありますから、遠慮なく確認しましょう。
重要事項説明書は、事前にコピーをもらって、当日までに目を通しておくと、質問すべき点が整理できておすすめです。少しでも引っかかることがあれば、契約日を延ばしてでも、納得してから進めるべきです。
重要事項説明は、契約の直前に宅地建物取引士が行う、いちばん大切な説明です。権利関係・法令上の制限・インフラ・契約解除の条件など、後でトラブルになりやすい点が凝縮されています。わからない用語はその場で必ず質問し、納得してから契約に進みましょう。
売買契約と手付金
重要事項説明の内容に納得したら、売買契約を結びます。契約書に署名・押印し、このとき手付金を支払います。
手付金は、物件価格の5〜10%程度が一般的です。この手付金には、重要な意味があります。
- 契約が無事に進めば、最終的に代金の一部に充当される
- 買主の都合で解約すると、手付金は戻らない(手付放棄)
- 逆に売主の都合なら、手付金の倍額が戻る(手付倍返し)
つまり、契約後に「やっぱりやめた」は、手付金を失うことになります。契約は、それだけ重い約束だということです。
なお、手付金による解除(手付解除)ができるのは、「相手方が契約の履行に着手するまで」という期限があります。契約書に「手付解除の期日」が定められていることも多いので、いつまでなら手付放棄で解除できるのかも、契約時に確認しておきましょう。契約後は簡単に後戻りできない、という前提で、契約前にしっかり検討することが大切です。
売買契約のときには、手付金のほかに、印紙税(契約書に貼る印紙代)や、仲介手数料の一部を支払うこともあります。当日に必要なお金と書類は、事前に不動産会社に確認しておくと安心です。
住宅ローン特約は必ず確認
もう一つ、宅建士として強くお伝えしたいのが住宅ローン特約です。これは、住宅ローンの本審査に通らなかった場合に、契約を白紙に戻せる(手付金も戻る)特約です。
売買契約にこの特約を付けておけば、万一ローンが組めなくても、手付金を失わずに済みます。逆に、これがないと、審査に落ちても手付金が戻らないリスクがあります。契約前に、住宅ローン特約が付いているか、期限はいつまでかを必ず確認しましょう。
売買契約時に払う手付金は、原則として物件価格の5〜10%。買主の都合で解約すると、この手付金は戻りません(手付放棄)。ただし、住宅ローン特約を付けておけば、審査に落ちた場合に手付金が戻り、契約を白紙にできます。契約前に必ず確認しましょう。
STEP6:住宅ローンの本審査・契約

売買契約を結んだら、住宅ローンの本審査を申し込みます。事前審査が「見込み」だったのに対し、本審査は「本当に貸せるか」を、提出書類をもとに詳しく確認するものです。期間は2週間前後が目安です。
ここで注意したいのが、事前審査に通っていても、本審査で落ちることがあるという点です。主な原因は、事前審査の申告内容と提出書類の食い違い、契約から本審査までの間の転職や新たな借入、物件の担保評価などです。
そのため、契約から本審査までの間は、転職や高額なローン・クレジットの利用は避け、申告どおりの状態を保つことが大切です。
とくに、車のローンやスマートフォンの分割払い、新しいクレジットカードの作成なども、審査に影響することがあります。契約から引渡しまでの間は、大きな買い物や新たな借入は控えておくのが無難です。
本審査に通ったら、金融機関と金銭消費貸借契約(ローン契約)を結びます。金利タイプ(変動・固定)や返済期間を最終決定し、正式にローンの契約を交わします。この契約は「金消契約(きんしょうけいやく)」とも呼ばれ、団体信用生命保険(団信)の申し込みも、このタイミングで行うのが一般的です。
本審査では、事前審査より多くの書類が必要になります。源泉徴収票や課税証明書、住民票、印鑑証明書、売買契約書の写し、物件の資料などです。書類の準備に時間がかかることもあるので、早めにそろえておきましょう。
なお、金利タイプを変動にするか固定にするかは、毎月の返済額だけでなく、将来の家計や金利上昇への備えまで含めて決めるのがおすすめです。金利タイプの選び方に迷う場合は、【変動金利と固定金利はどっちがいい?】の記事も参考にしてください。
ローン契約が済めば、あとは決済・引渡しを待つばかりです。
STEP7〜8:内覧(引渡し前チェック)と残金決済・引渡し

いよいよ最終盤です。物件を受け取る前の、大切な2つのステップです。
STEP7:内覧(引渡し前チェック)
引渡しの前に、物件の最終確認(内覧・立会い)を行います。これは、契約どおりの状態になっているか、傷や不具合がないかを確認する、最後のチャンスです。
- 中古物件:水回り・建具・エアコンなど設備の動作、傷や汚れの状態
- 新築物件:仕上がりの状態、建具の開け閉め、壁や床の傷、設備の作動
内覧でチェックしたい主なポイントは、次のとおりです。
- 設備の動作:水道の水圧、給湯器、エアコン、換気扇、コンロなどが正常に動くか
- 建具の開閉:ドア・窓・収納の扉がスムーズに開け閉めできるか
- 傷・汚れ・不具合:壁・床・天井の傷や汚れ、水漏れの跡がないか
- 契約内容との一致:設備や仕様が、契約で決めた内容どおりか
- 新築の場合:クロスの継ぎ目、床の傾き、コーキングの状態など仕上がり
気になる点が見つかったら、引渡しまでに直してもらうよう伝えます。 引渡しを受けた後だと、「入居後についた傷では?」と判断が難しくなり、対応してもらいにくくなることもあります。
だからこそ、この引渡し前の段階でしっかり確認しておくことが大切です。遠慮せず、時間をかけて、細かくチェックしましょう。可能であれば、チェックリストを手に、一つずつ確認していくのがおすすめです。
引渡し前の内覧(内見・立会い)は、契約どおりの状態か、傷や不具合がないかを確認する最後のチャンスです。中古なら設備の動作、新築なら仕上がりを細かくチェック。気になる点は、引渡し前に直してもらうよう伝えることが大切です。
STEP8:残金決済・引渡し
内覧で問題がなければ、いよいよ残金決済・引渡しです。この日に、次のことがまとめて行われます。
- 住宅ローンの実行:金融機関から融資が実行される
- 残代金の支払い:手付金を除いた残りの代金を売主に支払う
- 所有権移転登記:物件の名義を自分に変える手続き(司法書士が担当)
- 鍵の受け取り:これで、正式に自分の家になります
決済は、金融機関の一室などで、売主・買主・不動産会社・司法書士などが集まって行うのが一般的です。当日の流れは、おおむね次のようになります。
- 本人確認・書類の確認:司法書士が、登記に必要な書類がそろっているかを確認
- 住宅ローンの実行:金融機関が融資を実行し、買主の口座にお金が入る
- 残代金の支払い:買主から売主へ、残代金や諸費用(登記費用・仲介手数料など)を支払う
- 登記手続き:司法書士が、所有権移転と抵当権設定の登記を申請
- 鍵と書類の受け取り:鍵や、物件の関係書類を受け取る
決済で必要になる主な書類は、住民票、印鑑証明書、実印、本人確認書類など。事前に不動産会社や金融機関から案内があるので、それに従って役所などで早めに取得しておきましょう。少し緊張する場面ですが、専門家が段取りしてくれるので、案内に従えば大丈夫です。この決済が終われば、晴れて、その家はあなたのものです。
なお、決済は平日の日中に、金融機関の営業時間内で行われるのが一般的です。まとまった書類のやり取りやお金の動きがあるため、半日程度は時間を空けておくと安心です。会社員の場合は、有給休暇などで対応する人も多いです。
当日に慌てないよう、必要書類は前日までにそろえ、当日は余裕を持って臨みましょう。
登記が完了すると、後日、登記識別情報(いわゆる権利証にあたるもの)が届きます。これは再発行できない大切な書類なので、なくさないよう大切に保管してください。
STEP9:入居・確定申告

鍵を受け取ったら、いよいよ入居です。ただし、購入は「引渡しで終わり」ではありません。入居後にやるべきことも残っています。
引っ越し・入居
引渡しを受けたら、引っ越しをして入居します。入居の前後には、意外と多くの手続きが必要です。主なものを挙げておきます。
- 旧居の退去手続き:賃貸なら解約予告(通常1か月前)を、引渡しに合わせて早めに
- ライフラインの手続き:電気・ガス・水道の開始(新居)と停止(旧居)
- 住所変更:役所での転入・転出届、マイナンバー、運転免許証など
- 火災保険・地震保険:引渡しまでに加入しておく
- 各種住所変更:勤務先、銀行、クレジットカード、通販サイトなど
引っ越しの時期は繁忙期(3〜4月)だと費用が高くなりがちなので、時期を選べるなら考慮するとよいでしょう。やることが多いので、リストにして一つずつ片づけていくのがおすすめです。
確定申告で住宅ローン控除を受ける
そして、忘れてはいけないのが確定申告です。住宅ローン控除(年末残高の0.7%が最大13年間、税金から差し引かれる制度)を受けるには、入居した翌年に確定申告が必要です。会社員でも、1年目は自分で確定申告をします(2年目以降は年末調整でOK)。
控除を受けそびれると、大きな金額を損することになります。必要書類(住宅ローンの年末残高証明書、登記事項証明書など)をそろえて、忘れずに手続きしましょう。制度の詳細は、国税庁の住宅ローン控除(No.1213)などで確認できます。控除の仕組みは【住宅ローン控除とは?】の記事でもくわしく解説しています。
マイホーム購入で失敗しないための注意点

最後に、宅建FP編集部として、マイホーム購入で後悔しないための注意点をお伝えします。
予算は「返せる額」で決める
繰り返しになりますが、これがいちばん大切です。物件に一目ぼれして予算を引き上げると、後の返済で苦しみます。先に「返せる額」を決めてから物件を探す——この順番を守りましょう。
目先だけでなく「将来」で判断する
家は、何十年と住む場所です。今の暮らしだけでなく、将来の家族構成の変化、維持費、そして万一売るときの売りやすさまで考えて選ぶと、後悔しにくくなります。子どもが増える・独立する、親と同居する、といった変化も想定しておきましょう。
とくに見落とされがちなのが「売りやすさ(資産価値)」です。ずっと住むつもりでも、転勤・転職・家族の事情などで、将来売ることになる可能性はゼロではありません。駅からの距離、周辺環境、管理状態(マンションの場合)などは、売るときの価値にも影響します。「自分が住みたいか」だけでなく、「将来、他の人も買いたいと思う物件か」という視点も、少し持っておくと安心です。
わからないことは必ず質問し、書面を確認する
各ステップで登場する書面や説明は、どれも重要です。とくに重要事項説明と売買契約は、後のトラブルを左右します。「わからないまま進めない」を徹底し、納得してから次に進みましょう。
信頼できる不動産会社を選ぶことも大切です。担当者が、こちらの質問に丁寧に答えてくれるか、メリットだけでなくデメリットやリスクも正直に説明してくれるか——こうした点は、会社選び・担当者選びの大事な判断材料になります。
少しでも「急かされている」「都合の悪いことを説明してくれない」と感じたら、立ち止まる勇気も必要です。
焦らず、一つずつ進める
いい物件に出会うと、「早く決めないと他の人に取られる」と焦りがちです。もちろんスピードが必要な場面もありますが、大きな買い物だからこそ、確認すべきことは確認する。 焦って重要な確認を飛ばすことが、いちばんの失敗のもとです。
マイホーム購入で後悔しないコツは、目先の価格だけでなく、将来の家族構成・維持費・売りやすさまで見て判断すること。そして各ステップで、わからないことは必ず質問し、書面をしっかり確認すること。焦らず一つずつ進めれば、大きな失敗は防げます。
マイホーム購入 準備チェックリスト
購入を進める前に、次の項目を確認しておきましょう。
□ 予算を「借りられる額」ではなく「返せる額」で決めたか
□ 諸費用(5〜9%)・維持費まで見込んだか
□ 事前審査を売買契約の前に受けたか
□ 重要事項説明の内容を理解し、疑問を質問したか
□ 手付金の額と、住宅ローン特約の有無を確認したか
□ 契約から本審査までは転職・新規借入を避けているか
□ 引渡し前の内覧で、物件の状態を細かく確認したか
□ 入居後の確定申告(住宅ローン控除)の準備をしたか
□ 信頼できる不動産会社・担当者かどうかを見極めたか
よくある質問(FAQ)
- マイホーム購入にはどれくらいの期間がかかりますか?
-
物件の種類によりますが、中古なら2〜3か月、新築の建売なら1〜2か月、注文住宅は1年以上が目安です。住宅ローンの審査や、賃貸の解約予告などにも時間がかかるため、入居希望日から逆算して余裕を持って進めましょう。
- 家を買うとき、まず何から始めればいいですか?
-
まずは資金計画(無理なく返せる予算を決めること)と、相場の情報収集から始めます。物件を見る前に予算を固めておくと、予算オーバーの物件に一目ぼれして借りすぎる、という失敗を防げます。
- 購入の申し込みをしたら、必ず買わないといけませんか?
-
いいえ。購入申込(買付)の段階では、まだ契約ではありません。売買契約を結ぶ前なら、基本的にキャンセルできます。ただし申込証拠金を預けている場合は、返還の条件を確認しておきましょう。
- 手付金はいくら必要ですか?戻ってきますか?
-
手付金は物件価格の5〜10%程度が一般的です。売買契約が無事に進めば、最終的に代金の一部に充当されます。ただし、買主の都合で解約すると戻りません(手付放棄)。住宅ローン特約があれば、審査に落ちた場合は戻ります。
- 住宅ローン特約とは何ですか?
-
住宅ローンの審査に通らなかった場合に、契約を白紙に戻せる(手付金も戻る)特約です。売買契約に付けておくのが一般的で、これがないと、審査に落ちても手付金が戻らないリスクがあります。契約前に必ず確認しましょう。
- 重要事項説明では何を確認すればいいですか?
-
権利関係、法令上の制限、インフラ(水道・ガスなど)、契約解除の条件、手付金の扱いなどです。後でトラブルになりやすい点が凝縮されているので、わからない用語はその場で質問し、納得してから契約に進みましょう。
- 事前審査と本審査は何が違いますか?
-
事前審査は、契約前に「借りられそうか」の見込みを確認するもの。本審査は、契約後に「本当に貸せるか」を書類で詳しく確認するものです。事前審査に通っても本審査で落ちることがあるため、契約から本審査までは転職や新たな借入を避けましょう。
- 引渡し前の内覧では何をチェックすればいいですか?
-
契約どおりの状態か、傷や不具合がないかを確認します。中古なら水回りや建具などの設備の動作、新築なら仕上がりを細かくチェック。気になる点は、引渡し前に直してもらうよう伝えることが大切です。
- 決済・引渡しの日には何をしますか?
-
残りの代金を支払い、所有権の移転登記を行い、鍵を受け取ります。多くの場合、金融機関で住宅ローンが実行され、その資金で売主に支払います。司法書士が登記手続きを担当します。この日から、正式に自分の家になります。
- 家を買った後にやることはありますか?
-
入居後、翌年に確定申告をして住宅ローン控除を受ける必要があります(1年目は会社員でも確定申告が必要)。また、火災保険の手続き、住所変更などもあります。忘れずに進めましょう。
- 住宅購入で必要な書類は何ですか?
-
本人確認書類、収入を証明する書類(源泉徴収票など)、印鑑証明書、住民票などが基本です。住宅ローンの審査や契約、登記の各場面で、それぞれ書類が必要になります。不動産会社や金融機関の案内に従って、早めに準備しましょう。
- 初めての家購入で、いちばん気をつけることは何ですか?
-
各ステップで、わからないことは必ず質問し、書面をしっかり確認することです。とくに重要事項説明と売買契約は、後のトラブルを左右する重要な場面。焦らず、納得してから次に進むことが、後悔しないためのいちばんのコツです。
まとめ:流れを知り、一つずつ着実に進めよう
最後に、マイホーム購入の流れについて、この記事の要点を整理しておきます。
- マイホーム購入は、情報収集・資金計画から確定申告まで、大きく10のステップで進む
- 期間の目安は、中古2〜3か月、新築の建売1〜2か月、注文住宅1年以上
- いちばん重要なのは、重要事項説明と売買契約。手付金・住宅ローン特約を必ず確認
- 事前審査は契約前に、本審査までは転職・新規借入を避ける
- 予算は「返せる額」で決め、わからないことは必ず質問する
- 諸費用は物件価格の5〜9%。物件代金以外のお金も忘れず見込んでおく
- 引渡し後も、確定申告(住宅ローン控除)など、やるべき手続きが残る
家の購入は、ステップが多く、専門用語も出てきますが、流れを知って一つずつ進めれば、決して難しくありません。全体像さえ頭に入れておけば、「次に何が来るか」がわかり、落ち着いて対応できます。
わからないことが出てきたら、その都度この記事に戻って確認してください。焦らず、納得しながら進めて、後悔のないマイホームを手に入れましょう。
あわせて【家を買う前にやるべき家計チェックリスト】や【年収別に買っていい家の価格目安】の記事も参考にしてみてください。
免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品、不動産取引、住宅ローン契約、税務手続き、投資行動を推奨するものではありません。制度・手続きや条件は変更される場合があるため、最新情報は不動産会社・金融機関・国税庁などの公的機関の公式情報をご確認ください。最終的な判断は、必要に応じて専門家にご相談ください。

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