夫婦の老後資金はいくら必要?世帯の目安と準備を宅建FPが解説

夫婦の老後資金はいくら必要?

「夫婦二人なら、年金でなんとかなる」——そう思っていませんか。たしかに、夫婦は二人分の年金で支え合える強みがあります。ですが、老後の生活費は年金だけでは足りないことが多く、さらに「片方が亡くなった後」まで見据えて備える必要があります。

この記事では、宅建士・FPの視点から、夫婦の老後資金はいくら必要かを、年金と生活費の目安、持ち家か賃貸かでの違い、単身化への備えまで一体で整理します。数字は金融庁・厚生労働省・生命保険文化センターなどの一次情報にもとづきます(金額は年度で変わる時点データです)。読み終えるころには、漠然とした不安が、自分たちの具体的な目標額に変わっているはずです。

この記事でわかること
  • 夫婦の老後資金の必要額を計算する式
  • 夫婦がもらえる年金の目安(共働き・片働き)
  • 最低とゆとりの生活費と、その差額の意味
  • 持ち家か賃貸かで必要額が変わる理由
  • 生活費以外にかかるお金(介護・医療・葬儀)
  • 片方が亡くなった後の「単身化」への備え
  • iDeCo・NISAなど夫婦での準備方法
目次

【結論】夫婦の老後資金はいくら必要?

先に結論をお伝えします。夫婦の老後資金の目安は、「毎月の支出から年金などの収入を引いた不足額」に、老後の年数をかけて求めます。ざっくり言えば、最低限の生活なら年金でおおむねまかなえるものの、旅行や趣味を楽しむ「ゆとりある生活」を望むなら、その差額を貯蓄で用意する必要がある、というのが全体像です。

よく「夫婦で2,000万円」「ゆとりなら5,000万円」といった数字を見かけます。ただし、これはあくまで平均的なモデルでの試算にすぎません。持ち家か賃貸か、共働きか片働きか、どんな暮らしを望むかで、必要額は数百万円から一千万円単位で変わります。大切なのは、他人の平均額ではなく、自分たちの数字で計算することです。

もう少し具体的に言うと、必要額を決めるのは主に3つの要素です。1つ目は、夫婦でもらえる年金がいくらか。2つ目は、老後にどんな暮らしをしたいか(=毎月の支出)。そして3つ目が、持ち家か賃貸かという住まいの前提です。この3つが決まれば、必要な老後資金はおのずと見えてきます。条件別の目安イメージは、次のとおりです。

夫婦のパターン 必要な老後資金の目安
持ち家(完済)× ゆとりを求めない 少なめ(数百万〜1,500万円)
持ち家(完済)× ゆとりある生活 中くらい(2,000万〜3,000万円)
賃貸 × ゆとりある生活 多め(4,000万〜5,000万円級)

まずは「2,000万円」という数字にただ不安になるのをやめて、自分たちのケースに当てはめて考えていきましょう。老後資金の考え方の全体像は、老後資金はいくら必要?もあわせて参考にしてください。

結論の考え方:夫婦の老後資金の目安は(毎月の支出 − 年金などの収入)× 12か月 × 老後の年数で計算します。最低限の生活なら年金でおおむねまかなえますが、ゆとりある生活を望むなら、その差額を貯蓄で用意します。夫婦のモデル年金は月約23万円(令和7年度)。持ち家か賃貸か・共働きか片働きかで、必要額は数百万〜一千万円単位で変わります。

夫婦がもらえる年金はいくら?

夫婦がもらえる年金はいくら?

必要な老後資金を出すカギは、もらえる年金額です。老後の収入の柱になるのが公的年金なので、まずは自分たちがいくら受け取れるのかを押さえましょう。

令和7年度の標準的な年金額(モデル年金)は、夫婦2人で月約23万円です。正確には月232,784円で、これは夫が平均的な収入で40年間会社員として働き、妻がその間ずっと専業主婦だった世帯を想定したものです。内訳は、夫の老齢厚生年金に、夫婦2人分の老齢基礎年金(満額は令和7年度で月69,308円)を加えた金額になります。

共働きか片働きかで、年金は変わる

ここで見落としてはいけないのが、この「月約23万円」はあくまで一つのモデルだということです。実際の年金額は、夫婦それぞれの働き方で大きく変わります。

働き方による年金の目安を整理すると、次のようになります。

夫婦の働き方 世帯の年金(月・目安)
会社員+会社員(共働き) モデル年金より多め
会社員+専業主婦(片働き) 約23万円(モデル年金)
自営業+自営業(国民年金) 約14万円前後

共働きで二人とも厚生年金に長く加入していた夫婦は、モデル年金より手厚い年金を受け取れることが多くなります。逆に、自営業などで二人とも国民年金が中心の夫婦は、二人合わせても月14万円前後にとどまることもあります。

意外なのは、共働き夫婦こそ油断しやすいという点です。「二人とも働いてきたから年金は安心」と思い込み、老後の準備を後回しにしがちだからです。年金が手厚いのは確かですが、その分ゆとりある生活を望む傾向もあり、結局は準備が必要になります。まずは、平均額ではなく、自分たちの実際の見込み額を確認することが出発点です。

また、専業主婦(第3号被保険者)だった妻の年金は、老齢基礎年金が中心になります。満額でも月7万円弱なので、夫が先に亡くなった場合、妻に残る年金は決して多くありません。片働き世帯ほど、遺されたほうの備えを厚くしておく必要があります。夫婦の年金は「二人分の合計」だけでなく、「一人になったときにいくら残るか」まで見ておくことが大切です。

見込み額は「ねんきんネット」で確認する

自分たちの年金見込み額は、「ねんきんネット」や、毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」で確認できます。夫婦それぞれの見込みを足し合わせれば、世帯としての年金収入がつかめます。この数字が、後の計算のベースになります。

もし見込み額が思ったより少なくても、悲観する必要はありません。年金は繰下げ受給で増やせますし、不足分は貯蓄や資産運用で補えます。大切なのは、早いうちに現実の数字を知り、対策を立てる時間を確保することです。まずは夫婦で一緒に、それぞれの定期便やねんきんネットを開いてみるところから始めましょう。

夫婦の老後の生活費はいくら?

夫婦の老後の生活費はいくら?

年金の見込みがわかったら、次は老後の生活費です。ここでは「最低限いくらかかるか」と「ゆとりを持つならいくらか」の2つの目安を押さえます。この2つの間のどこに自分たちを置くかで、必要な老後資金が決まります。

生命保険文化センターの2025年度の調査によると、夫婦2人が老後を送るうえで必要と考える最低日常生活費は、平均で月23.9万円でした。これは、日々の暮らしを不自由なく送るための、いわば下限の金額です。先ほどのモデル年金(月約23万円)とほぼ同じ水準で、最低限の生活なら年金でおおむねまかなえる、というイメージがつかめます。

もっとも、これは「持ち家でローンがない」ことを前提にした水準に近い点に注意が必要です。賃貸で家賃が続く場合や、住宅ローンが老後まで残っている場合は、この23.9万円に住居費が上乗せされます。

総務省の家計調査でも、高齢夫婦無職世帯の毎月の家計は赤字になりやすいことが示されています。「最低ライン=年金でぴったり」ではなく、多くの世帯で多少の持ち出しが生じる、と考えておくのが現実的です。

「ゆとりある生活」には月約39万円

一方、同じ調査で、旅行やレジャー、趣味、孫との交流などを楽しむ「ゆとりある老後生活費」は、平均で月39.1万円とされています。2つの目安をまとめると、次のとおりです。

生活の水準 夫婦の月の生活費(目安)
最低日常生活費 約23.9万円
ゆとりある老後生活費 約39.1万円

最低生活費との差はおよそ月15万円。この上乗せ分が、まさに「年金だけでは足りず、貯蓄で用意すべきお金」の正体です。

たとえば、ゆとりある生活を望む夫婦で、年金収入が月23万円だとすると、毎月の不足は約16万円になります。年間にすると約192万円。老後を25年とすれば、単純計算で約4,800万円が必要という計算になります。

「5,000万円」という数字は、こうした「ゆとり重視」の前提から出てきているのです。もちろん、ここまでのゆとりを求めなければ、必要額はぐっと下がります。

大事なのは、最低とゆとりのどちらか極端に寄せるのではなく、自分たちがどんな老後を送りたいかで、その中間のどこかに目標を置くことです。旅行は年に何回したいか、車は持ち続けるか、といった希望を具体的に思い描くと、自分たちの「ちょうどいい生活費」が見えてきます。他人のゆとり額にそのまま合わせる必要はありません。

必要な老後資金の目安と計算

必要な老後資金の目安と計算

ここからは、自分たちの必要額を実際に計算してみましょう。使う式はシンプルです。老後資金の目安は、「(毎月の支出 − 年金などの収入)× 12か月 × 老後の年数」で求められます。

たとえば、毎月の支出が28万円、年金収入が23万円の夫婦なら、不足は月5万円です。老後を65歳から90歳までの25年とすると、5万円 × 12か月 × 25年 で、約1,500万円が目安になります。

毎月の不足額ごとに、必要な老後資金(老後25年)の目安を早見表にすると、次のようになります。

毎月の不足額 必要な老後資金(25年分)
3万円 約900万円
5万円 約1,500万円
8万円 約2,400万円
10万円 約3,000万円

このように、毎月の不足額しだいで必要額は大きく変わります。だからこそ、平均ではなく自分たちの数字を入れることが大切なのです。

ここで「老後の年数」をどう置くかも、必要額を左右します。目安として、65歳から90歳前後までの25〜30年を見ておくと安心です。令和6年の簡易生命表では、平均寿命は男性81.09年、女性87.13年で、とくに妻は長生きする前提で考えておく必要があります。年数を短く見積もりすぎず、人生100年時代を踏まえて、やや長めに置いておくのが安全側の考え方です。

持ち家か賃貸かで、必要額は大きく変わる

この計算で、必要額を最も大きく左右するのが「住まい」です。持ち家で住宅ローンを完済していれば、老後の住居費は固定資産税や修繕費が中心で、毎月の負担は比較的軽くなります。その分、毎月の不足額が小さくなり、必要な老後資金も抑えられます。

一方、賃貸の場合は、老後もずっと家賃を払い続けます。仮に家賃が月10万円なら、25年間で3,000万円。これがそっくり、必要な老後資金の上乗せになります。持ち家か賃貸かで、老後資金が一千万円単位で変わるのは、この家賃の有無が理由です。無理のない住宅の持ち方は、住宅ローンで失敗する人の共通点もあわせて確認してください。

「取り崩し」で何年もつかを考える

老後資金は、貯めるだけでなく「どう取り崩すか」も大切です。たとえば2,000万円の貯蓄があり、毎月5万円ずつ取り崩すなら、単純計算で約33年もちます。毎月10万円取り崩すなら約16年です。自分たちの不足額と貯蓄額から、「何歳まで安心してもつか」を一度シミュレーションしておくと、過度に不安になったり、逆に油断したりせずに済みます。

取り崩しで気をつけたいのは、老後の前半に使いすぎないことです。退職直後は時間に余裕ができ、旅行やレジャーで支出が増えがちですが、ここでペースを上げすぎると、後半の資金が細くなります。

とくに、介護や医療でお金が必要になるのは老後の後半であることが多いため、後半に向けて余力を残す配分が大切です。銀行や証券会社の無料シミュレーターを使えば、資金が何歳までもつかを試算できます。

生活費以外にかかるお金

生活費以外にかかるお金

毎月の生活費だけで老後資金を計算すると、いざというときに足りなくなります。生活費とは別に、まとまって出ていくお金を見込んでおく必要があるからです。ここを織り込んでおくかどうかで、老後の安心感は大きく変わります。

とくに大きいのが、介護費用です。生命保険文化センターの2024年度の調査では、介護にかかった費用は、住宅改修や介護ベッドなどの一時的な費用が平均約47万円、月々の費用が平均約9万円、平均の介護期間は約4年7か月でした。単純計算すると、一人あたり総額で500万円を超えることもあります。夫婦なら、二人分の介護を想定しておくと安心です。

夫婦の場合、最初は元気なほうが相手を介護できることも多く、その間は外部サービスの費用を抑えられます。しかし、介護するほうも年齢を重ねていくため、いずれは二人とも介護が必要になったり、施設への入居を検討したりする場面が来ます。「どちらかが介護になったら、もう一方が家計を支えられるか」という視点で、夫婦で早めに備えを考えておきましょう。

医療費・リフォーム・葬儀も別枠で

医療費も、年齢とともに増えていく支出です。高額療養費制度で自己負担には上限がありますが、差額ベッド代や通院の交通費など、制度でカバーされない出費は残ります。持ち家なら、屋根や外壁、水回りのリフォーム費用も、老後のどこかで必要になります。数百万円規模になることもあるため、これも予備費として見込んでおきましょう。

このほか、葬儀やお墓にかかるお金も、いつかは必要になります。金額は選び方で幅がありますが、百万円前後を見込んでおくと備えになります。これらをすべて足し合わせると、生活費以外の予備費だけで、夫婦で1,000万円前後を見込んでおくと安心、というイメージになります。

読めない支出だからこそ、「かかるかもしれない」前提で、生活費とは別枠のクッションとして持っておくことが、老後の安心につながります。

片方が亡くなった後の「単身化」に備える

片方が亡くなった後の「単身化」に備える

夫婦の老後資金を考えるとき、競合サイトの多くが触れていない、けれど非常に大切な論点があります。それが「どちらか一方が亡くなった後」の備えです。夫婦の老後は、二人がずっと元気なままとは限りません。片方が亡くなると、生活は「夫婦」から「単身」へと変わります。

このとき問題になるのが、年金が減ることです。夫婦二人で月約23万円を受け取っていた世帯でも、片方が亡くなると、その人の年金はなくなります。残された配偶者には遺族年金が支給されることがありますが、それまでの世帯の年金額がそのまま維持されるわけではありません。

一般に、夫婦二人のときより世帯の年金収入は減ります。遺族年金の仕組みは複雑なので、具体的な金額は年金事務所やFPに確認するのが確実です。

支出は半分にはならない

「一人になれば生活費も半分になるのでは」と思うかもしれませんが、実際はそうなりません。家賃や光熱費の基本料金、固定資産税などは、一人になっても大きくは変わらないからです。一人暮らしの生活費は、夫婦二人の半分ではなく、7割程度になるといわれます。つまり、収入は大きく減るのに、支出はそれほど減らない、という厳しい状況になりやすいのです。

だからこそ、夫婦の老後資金は「二人が生きている間」だけでなく、「片方が亡くなった後、残された一人がどう暮らすか」まで見据えて準備しておく必要があります。残された配偶者が一人になったときの家計は、独身の老後資金の考え方も参考になります。

夫婦で口座や資産の全体像を共有し、いざというときに残された側が困らないようにしておくことも、立派な「単身化」への備えです。元気なうちに、二人でお金のことを話し合っておきましょう。

見落とされがちな最重要ポイント:夫婦の老後は、片方が亡くなった後の「単身化」まで見据える必要があります。片方が亡くなると、その人の年金はなくなり、遺族年金があっても世帯の年金収入は減ります。一方で、生活費は半分にはなりません。年金が少ないほうが遺されたときに厳しくなりやすいため、元気なうちに備えを話し合っておきましょう。

年金を増やす・持ち家を活かす

年金を増やす・持ち家を活かす

老後資金は「足りない分を貯める」だけが方法ではありません。年金そのものを増やしたり、持ち家を活かしたりすることで、必要な貯蓄額を減らすこともできます。ここは、住まいとお金を扱う私たちがとくにお伝えしたい視点です。

まず、年金を増やす方法が「繰下げ受給」です。老齢年金は、受け取りを65歳より遅らせると、1か月あたり0.7%、最大で84%(75歳まで遅らせた場合)増額されます。増えた年金は一生続くため、長生きするほど有利になります。夫婦の場合、二人とも繰り下げるほか、「収入の柱である夫の年金だけ繰り下げ、妻は通常どおり受け取る」といった使い分けもできます。

繰下げには注意点もあります。繰り下げている間は年金が入らないので、その間の生活費を貯蓄や就労でまかなえることが前提です。また、増額された年金にも税金や社会保険料がかかるため、額面がそのまま手取りで増えるわけではありません。それでも、長生きリスクへの備えとして、とくに長生きする傾向のある妻の年金を厚くしておく発想は有効です。

持ち家は「もう一つの老後資金」

持ち家がある夫婦にとって、その家は現金に換えられる資産でもあります。子どもが独立して家が広すぎるなら、コンパクトな住まいに住み替えて、売却の差額を老後資金に回す方法があります。維持費や掃除の負担も軽くなり、一石二鳥です。売り方の選択肢は、仲介・買取・リースバックの違いで整理しています。

「住み慣れた家を離れたくない」という場合は、自宅に住み続けたまま資金を得る方法もあります。自宅を売却して賃貸として住み続けるリースバックや、自宅を担保に借り入れるリバースモーゲージなどです。いずれも条件や手数料、注意点があるため、利用の際は専門家に相談のうえ慎重に判断してください。

とくに夫婦の場合、こうした持ち家の活用は「片方が亡くなった後」にも効いてきます。広い家に一人で住み続けるのが負担になったとき、売却して住み替えたり、資金化したりする選択肢を持てるからです。

必要額を最も左右するのは「住まい」です(宅建FPの視点)。持ち家でローンを完済していれば住居費が軽く、必要な老後資金を抑えられます。賃貸は老後も家賃が続き、月10万円なら25年で3,000万円の上乗せに。さらに、持ち家は売却・住み替え・リースバックで老後資金に変えられる資産でもあります。

夫婦の老後資金の準備方法

夫婦の老後資金の準備方法

必要額と、備えるべき項目が見えたら、あとは準備するだけです。夫婦の老後資金づくりでは、税制優遇のある制度を二人で活用するのが基本になります。

代表的なのが、iDeCo(個人型確定拠出年金)とNISA(少額投資非課税制度)です。iDeCoは原則60歳まで引き出せない代わりに、掛金が全額所得控除になり、節税しながら老後資金を積み立てられます。NISAは引き出しが自由で、老後資金にも柔軟に使えます。

夫婦それぞれが口座を持てるので、二人で活用すれば、非課税の枠を大きく使えるのが強みです。退職金や企業年金がある人は、その見込み額も忘れずに計算に入れましょう。

夫婦で取り組むときのコツは、役割を分けることです。たとえば、老後まで確実に置いておきたい分はiDeCoで固め、途中で使うかもしれない分はNISAで柔軟に持つ、といった使い分けです。夫婦で家計の全体像を共有し、どちらがいくら積み立てるかを話し合っておくと、準備がぶれずに続きます。

原資は「固定費の見直し」でつくる

「投資に回すお金がない」という夫婦も、あきらめる必要はありません。原資は、毎月の固定費を見直してつくれます。通信費や保険、使っていないサブスクなどを見直せば、生活の満足度を下げずに、毎月の余力が生まれます。詳しくは家計の見直しは固定費からを参考にしてください。

生命保険も、子どもが独立した後は大きな死亡保障が不要になることが多く、見直しで保険料を減らせる余地があります。浮いたお金を、そのまま老後資金づくりに回していきましょう。

そして、準備は早く始めるほど有利です。長く積み立てるほど複利の効果が働き、少ない負担で目標に近づけます。とはいえ、40代・50代からでも遅すぎることはありません。世代別の考え方は40代から始める資産形成も参考になります。

ただし、投資には値動きのリスクがあります。具体的な商品選びや配分は、FPなど専門家に相談すると安心です。まずは、いざというときの生活防衛資金を確保したうえで、無理のない範囲で老後資金づくりに取り組みましょう。

よくある質問

夫婦2人で老後資金はいくら必要ですか?

自分たちの毎月の不足額に、老後の年数をかけて計算します。 最低限の生活なら年金でおおむねまかなえますが、ゆとりある生活を望むなら、その差額を貯蓄で用意する必要があります。目安としてよく2,000万円といわれますが、これは平均的なモデルでの試算です。持ち家か賃貸か、どんな暮らしを望むかで必要額は大きく変わるので、自分たちの数字で計算することが大切です。考え方の全体像は老後資金はいくら必要?も参考になります。

老後資金は5000万円ないと夫婦で足りませんか?

必ずしもそうではありません。 5,000万円という数字は、旅行や趣味を楽しむ「ゆとりある生活」を、賃貸なども含めて手厚く見積もった場合の目安です。持ち家でローンを完済し、支出を年金の範囲に近づけられる夫婦なら、5,000万円もの貯蓄がなくても暮らせるケースは十分にあります。逆に、賃貸でゆとりを求めるなら、それ以上必要なこともあります。あくまで自分たちの前提しだいです。

持ち家の夫婦と賃貸の夫婦で、必要額はどれくらい違いますか?

住居費の差が、そのまま必要額の差になります。 持ち家でローンを完済していれば、老後の住居費は固定資産税や修繕費が中心で軽くなります。一方、賃貸は老後も家賃が続き、仮に月10万円なら25年で3,000万円の上乗せです。この差は非常に大きいため、老後資金を考えるときは、住まいをどうするかを必ずセットで考えてください。無理のない住宅の持ち方は住宅ローンで失敗する人の共通点も参考にしてください。

共働き夫婦なら、老後資金の準備は少なくて済みますか?

年金は手厚くなりますが、油断は禁物です。 二人とも厚生年金に長く加入していれば、モデル年金より多くの年金を受け取れます。ただし、共働き夫婦はゆとりある生活を望む傾向もあり、支出も大きくなりがちです。また、どちらかが亡くなった後は年金が減ります。「共働きだから安心」と準備を後回しにせず、自分たちの見込み額で計算しておきましょう。

自営業(国民年金のみ)の夫婦は、どれくらい必要ですか?

会社員の夫婦より、手厚い準備が必要です。 自営業で二人とも国民年金(老齢基礎年金)が中心だと、夫婦合わせても年金が月14万円前後にとどまることがあります。会社員のモデル年金(月約23万円)と比べると差が大きく、その分を自助努力で埋める必要があります。iDeCoの掛金上限も自営業は比較的大きいので、こうした制度を早めに活用することをおすすめします。

夫婦の老後資金は、何歳から準備すればいいですか?

早いほど有利ですが、40代・50代からでも十分間に合います。 長く積み立てるほど複利の効果が働き、少ない負担で目標に近づけます。まずは夫婦で老後の希望を話し合い、年金の見込み額を確認し、不足額を計算するところから始めましょう。固定費の見直しで原資をつくり、iDeCo・NISAや繰下げ受給を組み合わせれば、着実に備えられます。準備は40代から始める資産形成、原資づくりは家計の見直しは固定費からも参考にしてください。

まとめ:夫婦の老後資金は「自分たちの数字」で備える

最後に、この記事の要点を整理します。夫婦の老後資金は、「(毎月の支出 − 年金などの収入)× 12か月 × 老後の年数」で計算します。夫婦のモデル年金は月約23万円で、最低限の生活ならおおむねまかなえますが、ゆとりある生活には月約39万円が目安とされ、その差額を貯蓄で用意する必要があります。

とくに忘れてはいけないのが、この記事で強調した3つの視点です。1つ目は、持ち家か賃貸かで必要額が一千万円単位で変わること。2つ目は、片方が亡くなった後の「単身化」まで見据えること。3つ目は、繰下げ受給や持ち家の活用で、必要な貯蓄額そのものを減らせることです。

準備は、iDeCo・NISAを夫婦で活用し、固定費の見直しで原資をつくるのが基本です。早く始めるほど負担は軽くなります。まずは夫婦で、それぞれの年金見込みを確認し、どんな老後を送りたいかを話し合うところから始めてみてください。金額は年度で変わる時点データなので、具体的な運用や年金の受け取り方の判断は、FP・年金事務所など専門家に相談すると安心です。

夫婦の老後資金は、①年金見込みを確認 → ②望む生活費を決める → ③(支出−年金)×12×老後年数で目標額 → ④持ち家/賃貸・介護費・単身化も加味 → ⑤iDeCo・NISA・固定費見直しで準備、の順に考えます。数字は年度で変わる時点データです。具体的な運用・取り崩し・年金の受け取り方は、FP・年金事務所など専門家に相談するのが確実です。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

競売物件を専門に扱う不動産会社に勤務し、その後独立。住宅ローンを返せず家を手放す方を、数多く見てきました。その多くは「知らなかった」ことが原因でした。だからこのサイトでは、買う前・売る前に知っておけば防げることを、デメリットも隠さずに書いています。宅地建物取引士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士。

コメント

コメントする

目次